静岡県のわさび

世界農業遺産 に認定された静岡の『わさび』

  • 静岡県

静岡でわさびと言えば『わさび丼』

静岡県は日本のわさび生産の中心地で、全国の生産量の7割以上を占めています。特に伊豆地方はわさびの名産地として知られています。

この地域の豊富な湧き水と気候は、わさび栽培に最適であり、また歴史上も江戸時代、徳川家康公がわさびを大変気に入り、特別に保護した地域もあるほどです。

わさびは一般的に、お寿司や刺身、そばなどの薬味として知られていますが、静岡では『わさび丼』として、おろしたてのわさびと鰹節を一緒にご飯にのせて、ちょろっと醤油をかけて頂くのが人気です。

特に『わさび園 かどや』さんの『わさび丼』は有名で、様々なメディアで報道されています。ちなみに、あの『孤独のグルメ』の五郎さんは、珍しく2度も訪れ楽しんでいきました。

本物のわさびを味わうためには、新鮮なものをすりおろして、すぐに食べることが推奨されます。
さらに、わさびをすりおろすための専用のおろし器(鮫皮おろしなど)が使われ、すりおろしの方法も、わさび本来の風味を引き出すため、ゆっくりと『の』の字・円を描くようにすりおろすと良いと言われます。

そうすると、わさびの本来の香りと辛味が、普段頂くわさびとは全く異なる味わいに。普段のわさびはただ辛いだけ、本当に美味しいわさびには、ほんのりとした甘みがあるという人も。

世界農業遺産に認定

静岡のわさび田

わさびは、日本固有の植物で、奈良時代の文献にもその名が出ており、鎌倉時代には食用にされていたようです。

これまでは自生していたものを食していたわさびを、江戸時代の頃からは、栽培したわさびを頂くようになります。
静岡県有東木(うとうぎ)において、江戸時代初期に自生していたわさびを移植し、栽培を始めたのがわさび栽培の始まりとされます。そのため有東木は『わさび栽培発祥の地』と言われます。

わさびはその栽培方法から『水わさび(沢わさび)』と『畑わさび』の、大きく2つに分けることができます。

水わさびとは、地下から出る湧き水を利用して栽培し、主に根を頂きます。お寿司や刺身、蕎麦などの薬味として、根をすりおろして頂くわさびがこちらです。

畑わさびは、名前のとおり畑で栽培したわさびで、主に葉や茎を食し、葉わさびや茎の醤油漬けとして人気で、さらに、スーパーなどで販売されるチューブのわさびの原材料にも使われています。
(メーカーや種類によっても異なりますが、確かにチューブのわさびって、葉わさび・茎の香りを強く感じるものがありますよね。)

2018(平成30)年、静岡県の水わさびは『静岡水わさびの伝統栽培』として世界農業遺産に認定されました。
静岡水わさびは『畳石式(たたみいししき)』のわさび田・栽培技術と言われ、静岡県伊豆地方から県内へ、さらには全国へ広まったと言われます。
そして今回、とうとう世界的に認められた静岡の水わさび。
日本人が愛するソウルフードの一つとして、ますます世界に広まって欲しいですね。

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