在来種のそばの聖地 福井の『越前おろしそば』
- 福井県
- 2022年12月14日
400年以上の歴史を有する福井の郷土料理
ピリッと辛みのある大根おろしとネギ、鰹節をのせた冷たいそば『越前おろしそば』。
福井県を代表するソウルフードの一つで、400年以上の歴史を有する福井の郷土料理です。福井県はそば店が多く、各そば店のレベルも高いと言われます。
福井県は『在来種のそば』の聖地
そばの産地としては北海道(生産量が日本一)や、長野県が有名ですが、実は福井県もそば通にはたまらない産地で『聖地』とも。
現在、そばの『在来種』を栽培している地域は数少ない中、福井県は『在来種のそば』の聖地と言われます。その理由は、在来種の蕎麦を古くから大切に作り続けてきた経緯から。
北海道や長野県などの産地で栽培されている多くの蕎麦は、ある特定の時期に安定してたくさん収穫できるように(大量生産・出荷できるように)、品種改良がされた品種であり『在来種』ではありません。
在来種のそばとは?
『在来種のそば』とは、その土地で昔から栽培されてきて、品種改良がされていない蕎麦のことです。
蕎麦を植えると数日経つと芽が出てきて成長を始めますが、そのスピードはまちまちです。この一つひとつの芽の成長が一定ではない、バラバラな点が在来種の特徴で、この統一性がない特徴を『雑駁(ざっぱく)』と呼びます。
つまり、在来種のそばは雑駁なために、大量生産には向かず、このままでは農業(産業としての)として成り立たないため、品種改良が必要だったのです。
しかし、統一性のない、個々の特性がバラバラで雑駁ということは、悪天候や病気が流行ったとしても、それぞれの特性がバラバラなため全滅せずに、どれかは生き延びる可能性があります。
つまり、自然としてその土地の環境に順応して育ち、生き残った生命力の強い蕎麦が『在来種のそば』なのです。
大量生産には向かない在来種のそば。
しかし、近年は、在来種のそばは『味が濃い・風味・香りが強い』と言われ、日本全国の各地域でその生産が見直され、また、首都圏でも在来種のそばにこだわったそば店が出店するようになってきました。
が、まずは、福井県の『越前おろしそば』をお楽しみください。
(参照:在来種のそばは、なぜ、おいしいのか)
名称 | 越前おろしそば |
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地域 | 福井県 |
情報ソース | 福井そば情報サイト ふくい そばonline |