油あげ

福井県は『油揚げ・がんもどき』の消費量が全国トップ

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厚揚げのように分厚い油揚げ

福井の油揚げは、一般的に知られる厚揚げのように分厚い油揚げです。

福井県は油揚げの消費量(金額)が全国トップで、他県と比べても、スーパーでの品揃えの多さや売り場面積もかなり広いと言われています。

油揚げのレストラン?

福井県のなかでも、1925(大正14)年創業の老舗『谷口屋』さんは全国的にも有名で、福井県坂井市丸岡町上竹田(旧 竹田村)では、油揚げのレストラン『竹田の油揚げ 谷口屋』さんを営んでいます。

定番メニューは大きな油揚げ(厚さ4cm、縦横14cmのジャンボサイズ!)がメインの『あげ1枚御膳』です。揚げたて油揚げを大根おろしと特製醤油ベースのタレで頂きます。

低温圧搾法でしぼった、素材の味を活かす色で、香りのない胡麻油『九鬼 太白(くき たいはく)純正胡麻油』で揚げた『太白おあげ』は、1時間かけてじっくり揚げますが、それほど油っぽさを感じない、あっさりジューシーな秘伝のおあげ。
この秘伝のおあげを求めてやってくる方も多く、山奥に位置しながらも2時間待ちということもあるそうです。

ちなみに、この『九鬼 太白純正胡麻油』とは、創業は1886(明治19)年、本社が三重県にあるごま製品の製造・販売をしている老舗メーカー『九鬼』さんが作る胡麻油です。

お恥ずかしい話ですが、私がこの胡麻油を一番最初に頂いたとき、胡麻油にもかかわらず、胡麻の風味がほぼ無いため『え、不良品?』と思ったほど驚きました。

実は『そういうもの』であって、あえて『胡麻の香り』をさせず、素材の味を活かし、油っぽさを感じさせない高級な胡麻油ということを後から知り、自分の浅はかさを後から痛感しました。

なぜ油揚げが人気なのか?

福井では、そもそもなぜ油揚げが人気なのでしょうか?

その理由としては、福井県は古くから仏教徒、特に浄土真宗の信者の方が多く、重要な行事である『報恩講 (ほうおんこう:浄土真宗の宗祖(開祖)とされる親鸞聖人の命日の前後に行われる法要のこと) 』の際の精進料理に、油揚げを使った料理が多かったことから、老若男女から愛されてきたと云われます。

福井の油揚げは『油揚げ』?『厚揚げ』?

『油揚げ』と『厚揚げ』は異なりますが、福井の油揚げは『油揚げ』なのでしょうか?それとも『厚揚げ』なのでしょうか?

そもそも油揚げと厚揚の違いは、簡単に言うと、見た目の厚さだけではなく、内部までしっかり火を通しているかどうか。

内部までしっかり火を通し揚がっている(気泡がある・スポンジのような)ものは『油揚げ』で、内部が生揚げ、豆腐の状態が保たれているなめらかな状態なものは『厚揚げ』です。

単純に見た目だけで判断すると、一般的に福井の油揚げは厚揚げのように厚いので、福井の油揚げ=厚揚げ、という意見や見方もありますが、その店舗や商品によっては、作り方やその中身の出来栄え・食感から、福井の油揚げは厚揚げではなく、列記とした油揚げという意見・見方もあります(あるいは油揚げと厚揚げの中間的なもの)。

つまり『油揚げ』or『厚揚』なのかは一概には言えず、ここはやはり地元人の意見や製造元の表現を尊重すべきだと思います。

ちなみに、福井県の観光系サイト等では『油揚げ』という表現がほとんどですので、特別に製造元・メーカー等が『厚揚』という表現をしない限りは、福井の油揚げはやはり『油揚げ』ということで。


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